1987年発売。
1978年発売のYAMAHA NS-10M=テンモニと同時期に普及したスピーカーで今でも中古市場でよく見かけるのでそれだけ売れたスピーカーなのでしょう。
ネットでの当時の評価を見ると大型3wayが主流だった時代にテンモニと共に2wayブックシェルフスピーカーが普及する火付け役になった…らしいですがテンモニの方が約10年発売が早いですしその辺の真偽はよくわかりません…
ただ価格的にもサイズ的にもD-200liverpoolがテンモニを意識していたのは間違いないだろうし、実際よく比較されます。
こういうネット上での評価が高いビンテージ、特にバブル期のスピーカーってオーディオ趣味にしてる人間としては気になる存在でネット上での評価と同じ印象を自分が受けるのかどうなのか、確かめたくなるんですよね。
音質はテンモニと同じ高域がキレイで透明感のある美音が特徴。ただテンモニの音は乾燥してますがD-200liverpoolは金属ツィーターから出る潤いあるキラキラした高域が魅力。比べると結構違う。
低域はテンモニに比べて出る方なのでモニターライクなテンモニよりも扱いやすい。
この辺の違いはテンモニが密閉型でD-200がリアバスレフなのが大きいだろう。
テンモニを意識しつつもより親しみやすい、あるいは魅力を感じやすいキャラクターを付加したモデルと言えそう。
現在でも中古市場で多く出回る本機ですが、何分古いモデルなのでエッジが死んでる場合が多いです。
※私はD-200と1989年発売のマイナーチェンジモデルのD-200Ⅱ双方所持していますが、いずれもエッジをゴムやウレタンで貼り直したメンテナンス品です
入手するならエッジを交換したメンテナンス品が良いでしょう。厳密には当時の音とは違うでしょうがこの辺は古いモデルなので仕方無いかと。
↑D-200の端子
↑D-200Ⅱの端子
YAMAHAのテンモニは当時バネ式端子だった事を考えると、バナナプラグ非対応とは言え太いスピーカーケーブルに対応したネジ式にしているのは好印象。
D-200は高域寄り、D-200Ⅱは若干低域の量感強化した印象。ですがD-102EXGで感じるような中低音域の厚みはなく、あっさりとした印象。タイトな感じ。
ただ高域の出方はD-102EXGよりかなり出てます。しかしこれは扱い方を間違えると高域過多になり耳が疲れそう。間違いなく美音ですが取扱い注意かな。この辺は聴き疲れはしないテンモニとの違いが際立ちますね。
我が家ではA-1VL/C-1VLやMarantz PM5004/CD5004で運用しましたが高域がキラキラしすぎるキライがあるので、この辺は相性的にはDENONや当時の重量級アンプのSONY TA-F555シリーズやサンスイなんかが相性良さそう。
※因みに現在の我が家では予備役扱いですが手放してはいません。
キャロル・ウェルスマンのような低域の量感が元々結構あるJAZZなどを聴くととても心地よい。まさに美音と言うにふさわしい。Victor SX-WD500で同じ曲を聴くと全く別の印象を受けますが高域の出方が全然違うのでウッドコーンスピーカーで不満感じる方はとても有力な選択肢になるでしょう。
菅野よう子のマクロスフロンティアのようなキラキラした金属的な電子楽器が多い曲はD-200の独壇場。逆にウッドコーンのSX-WD500はこういう曲がてんで駄目(笑)D-102EXGは高域では劣るが豊富な中低音域が奏でるノリと勢いが熱い音となり、この点でD-200を上回ってるかなーという印象。ただまぁこのアルバムで出るD-200とD-102EXGの違いは好みの範疇かと。
女性ヴォーカルが特に良い印象なので高音質な洋楽CDの女性シンガー録音盤やアニソンはかなり好印象。
まとめると音はONKYOらしいクール系。モニター系とは違うエネルギーバランスが高音域寄りの美音スピーカーです。
総合評価 4(A-)
項目別評価
デザイン ★★★★★5(A)
高音の質 ★★★★★5(S 輝き/艶がgood)
中音の質 ★★★★✩4(声の高い女性ヴォーカルは良)
低音の質 ★★★★✩4(タイトで抜け良/量感控え目)
量感(エネルギーバランス)
高域★★★★★5
中域★★✩✩✩2
低域★★★✩✩3
超低音域★✩✩✩✩1
歯切れの良さ★★★★★5
音の明るさ★★★★★5
色気/艶★★★★★5
響き/リヴァーブ★★★✩✩3
丸さ/優しさ★★✩✩✩2
刺激★★★★✩4
コク/味の濃さ★★★✩✩3
躍動感★★★★✩4
アタック感★★★✩✩3
元気さ★★★★✩4
スピード★★★★✩4
熱い音/熱狂度★★★✩✩2.5くらい
解像度★★★★✩4
ウォーム★✩✩✩✩1
クール★★★★★5
癒やし★★★★✩4
美音★★★★★5
音楽性の高さ★★★★✩4
モニター★★✩✩✩2
ギャラリー
D-102EXGとD-200liverpoolの比較。奥行きが全然違う。音の違いは見た目にも現れてる。